【NVIDIA×トラ技ジュニア連携企画 】
夏休みに,AIプロジェクトとして「Jetson AI Specialist」にチャレンジしよう!
松原 拓也
注目を集める最新技術の1つが「AI(人工知能)」です.NVIDIAは,次世代のAI開発者の育成を支援しており,その一環として,NVIDIA Jetsonを活用してAIを学習するための無料プログラムを提供しています.プログラムでは,AIを扱うスキルの証明となる「Jetson AI Specialist」という認定資格も発行されます.通常の資格同様,履歴書などに記載できるほか,大学のロボット工学コースの準備や,競技大会に参加するうえでのスキル向上にもつながります.
ここでは「Jetson AI Specialist」の認定を取得するために必要な手順を実例を挙げて紹介しています.ぜひ夏休みのAIプロジェクトとして,チャレンジしてください.チームでの応募も可能です.
なお,トラ技ジュニア2012夏号(No.46)では,この「Jetson AI Specialist」に応募することを条件に,読者プレゼントとして,Jetson Nano 2GBを20台用意しています.
「Jetson AI Specialist」の概要と必要機材
「Jetson AI Specialist」認定までの手順
「Jetson AI Specialist」の詳細については「Jetson AIコースとCERTIFICATION」ページ(https://developer.nvidia.com/ja-jp/embedded/learn/jetson-ai-certification-programs)で詳しく解説しています.「Certification」は「認定」という意味です.
図1は,解説ページの画面です.赤枠で囲んだ部分が「Jetson AI Specialist」の認定までの大まかな手順です.手順は2つあります.
● 手順1:AI技術の学習
ここではネットで配信されるコースを受講して,Jetsonを使った実習を自主的に行います.Jetsonについては後で紹介します.
● 手順2:「プロジェクトの提出」
ここではJetson Nanoを使ってプロジェクトを作成して,ネット上に発表します.ここでいう「プロジェクト」とは独自に研究した課題のことです.自分でテーマを考えて,ソフトやハードを作成する能力が試されます.
以上2つの審査を経て,認定証が発行されます.
ちなみに解説ページによると,「Jetson AI Specialist」の応募者には「PythonとLinuxの基本的な知識」が必要とのことです.しかし,取り組む内容から考えると,他にも英語の知識やGitの知識,動画編集の知識も必要になるはずです.
なお,コースの受講や認定にかかる費用は無料です.
● 準備するハードウェア
コースの受講などで必要となるハードウェアは次の通りです.
- ・NVIDIA Jetsonファミリーのいずれかの製品(Jetson Nano 開発者キットやJetson Nano 2GB 開発者キットなど)
・microSDカード (64GB UHS-1推奨)
・USBケーブル(Micro B)
・USB電源アダプタ(Type-C,5V 3A)
・カメラ (ロジクール製Webカメラ「C270」またはRaspberry Piカメラモジュールv2を推奨)
・SDカードスロットを備えたPC(Windows/Mac/Linux)
・USBキーボード&マウス
・HDMIディスプレイ
・インターネットの接続環境(有線/無線LAN)
▲使用した「Jetson Nano 2GB開発者キット」
Jetsonシリーズの製品は多数存在しますが,ここでは「NVIDIA Jetson Nano 開発者キット(以下,Jetson Nano)」という入門者向けのマイコン・ボードを使用します.Jetson Nanoは初期に発売された無印版と,価格を抑えた「Jetson Nano 2GB」の2種類が存在します.写真1が「Jetson Nano 2GB」です.本製品は東京・秋葉原またはオンラインで7,000円程度で購入できます.
NVIDIAでは,教育現場の支援目的から,教育機関に対してのJetson Nano 2GBの無償提供も行っているようです.詳細については以下のページが参考になります.
https://blogs.nvidia.co.jp/2021/03/23/new-jetson-nano-2gb-developer-kit-grant-program-launches/
● NVIDIAのデベロッパ(開発者)アカウントの作成
コースを受講する前に,NVIDIAのデベロッパ(開発者)ページで,アカウントを作成します.図2のようにログイン・ページを開き,自身のメール・アドレスを入力します.その後,自身のアカウント名,生年月日,パスワードを入力します.さらに,受講する際には苗字と名前,国籍,団体名,大まかな業種を入力する必要があります.
写真1 「NVIDIA Jetson Nano 2GB開発者キット」とWebCam
図2 NVIDIAのデベロッパ・アカウントを作成