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トラ技Jr.

【NVIDIA×トラ技ジュニア連携企画 】
夏休みに,AIプロジェクトとして「Jetson AI Specialist」にチャレンジしよう!
松原 拓也

【NVIDIA×トラ技ジュニア連携企画 】<br>夏休みに,AIプロジェクトとして「Jetson AI Specialist」にチャレンジしよう!<br>松原 拓也

「Jetson AI Specialist」認定までの手順2~プロジェクトの提出~

 AIの学習が終わったら,提出用のプロジェクトを作成します.
 プロジェクトはAIを活用した何らかの研究課題になります.ここで「100円玉を自動的に数える」というプロジェクトを作成してみました.カメラで100円玉を撮影すると,合計金額を表示します(写真2図10).
 プロジェクトの内容に制約はありません.ページ内の解説を読んだ限りでは,高評価を得るためには,社会問題を解決するプロジェクトや,独創的なプロジェクトを制作したほうが良さそうです.

 

写真2 100円玉の自動カウント装置(トラ技ジュニア2021春号掲載のバージョン・アップ版)

 

図10 100円玉を数えて金額を表示する

 

●プログラムやモデルをGitHubアップする

 プログラムやモデルが完成したら,その内容をGitHubにアップロードします.GitHubはプログラムのソースコードを管理するサービスです.アップロードをするにはGitHubのアカウントが必要です.
 GitHubでは個々のプロジェクトのことをリポジトリ(Repository),アップロードのことをプッシュ(Push)と呼びます.図11のようにリポジトリを新規で作成します.リポジトリは「Public(一般公開)」に設定します.
 Webブラウザで使うGitHubには1つ落とし穴があって,1つあたり25MB以上のファイルをアップロードすることができません.25MB以上のファイルをアップロードしたい場合にはWebブラウザではなく,Git用のコマンドを直接実行する必要があります.
 リポジトリの中には「readme.md」という説明用ファイルを含みます.readme.mdには,プロジェクトの概要,プログラムの実行方法などを明記します.
 審査の都合を考えて,readme.mdは英語で書くことにしました.何もない状態からの英語の作文は難しいです.そこで,図12のようにGoogle翻訳を使って日本語→英語に翻訳して文書を作成しました.

 

図11 GitHubでリポジトリを新規作成

 

図12 Google翻訳を使って説明文を英訳

 

●プロジェクト動画の作成

 プロジェクトの動画を作成します.動画の長さや解像度には指定はありません.提出用のページによると,動画にはプロジェクトを効果的にデモしていること,いろんな方面から説明できていることが求められるようです.
 完成した動画をYouTubeにアップロードします.外部から動画を閲覧できるようにするため,「保存または公開」の設定は「公開」を選択します(図13).
 YouTubeにはサイト内に動画の一部をカットしたり,字幕を付ける機能が用意されています.そのため,ある程度のクオリティならばWebブラウザだけで作成できます.さらに凝った動画を作るには動画編集ソフトが必要になります.
 ここでは,フリーの動画編集ソフト「AviUtl」を使って作成しました(図14).素材となる動画ファイルはスマートフォンで録画しています.AviUtl単体では複雑な編集ができないため,「拡張編集プラグイン」というフリーの拡張機能を追加しています.これにより,カメラが撮った映像と外部からの様子を1つの画面で表示しています.
 字幕やナレーションは英語であることが望ましいと思います.私は,英語を話す自信がないので,説明は字幕で済ませました.出力時の動画の解像度は1280×720ピクセル,フレーム・レートは30fpsに設定しました.

 

図13 YouTubeに動画をアップロードする

 

図14 AviUtlを使った動画編集

 

●プロジェクトの提出

 これで,必要な素材がすべてそろいました.最後にプロジェクトを提出します.
 先に紹介した「Jetson AI Courses And Certification」のページを開いて,「プロジェクトを提出する」ボタンをクリックします(図15).
 続いて,必要な事項を入力します(図16).氏名,メールアドレス,GitHubのリポジトリのURL,YouTubeのURL,認定証のURLを入力する必要があります.
 最後に「Submit」ボタンを押すと,「Jetson AI Specialist」への応募は完了です.
 ページ内の説明によると,プロジェクトは「AI」「インパクト/オリジナリティ」「再現性」「プレゼンテーション/ドキュメンテーション」の4つに分かれ,各項目に最大5ポイントを割り振り,その合計点から審査するとのことです.
 合格/不合格のしきい値は不明ですが,総合的に評価されますので,すべての方面で手を抜かないことが求められます.
 審査の結果は10~14日くらいで通達されるとのことです.

 

図15 プロジェクトの提出を選択

 

図16 プロジェクト提出の入力画面

 

●チームでの応募も可能!

 ちなみに,研究室やクラス単位,クラブ活動など,チームで1つのプロジェクトを応募することもできます.
 手順は同じですが,個別に申請する必要があります.プロジェクト提出ページで氏名,メール・アドレス,そして「Getting Started with AI on Jetson Nano」の認定証のURLはメンバそれぞれ入力し,GitHubのリポジトリのURLとYouTubeのURLは,チーム・メンバ全員で同一のURLを申請します.

 

Jetson AI Specialistに認定される! 

図17 メールで届いた認定証.4日で判定が出た!

 

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