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フォトニクスから電力システムまで! 東北大学 工学部 電気情報物理工学科 山田・松田研究室

フォトニクスから電力システムまで! 東北大学 工学部 電気情報物理工学科 山田・松田研究室

<山田 博仁>

研究室の紹介

 当研究室は,通信および情報処理用の半導体光デバイスや光集積回路を始めとする,フォトニクスに関する教育と研究を行っています.さらに東日本大震災以降は,再生可能エネルギーを蓄電して利用するオフグリッド電源や,それを連携させて電力融通を可能にするマイクログリッド,家庭の電気機器をスマートに利用する統一電源プラグ・システム,近赤外光による光無線電力伝送,身の回りの安全を確保するためのパーソナルLiDARなどの研究も行っています.

教員 教授:山田 博仁,准教授:松田 信幸,助教:Truong Hoang Anh,助手:内山 直美

 

代表的な研究

 統一電源プラグ・システム

  直流で動作する家電機器を,電源アダプタを介さずに直接利用することを可能にする統一電源プラグ・システムを提案し,試作しました(図1写真1).まず,機器ごとに異なる電源情報をICチップに記録し,機器のDC電源プラグに内蔵しておきます.機器が電源に接続された瞬間に,電源がその情報を読み出すことにより,正しい電力を自動的かつ安全に供給します.家電機器をスマートかつ安全に使用することができます.現在ではさらに,AIによって電気機器の故障診断や動作モード解析による見守りサービスを行うことも検討しています.

 

図1 統一電源プラグ・システムの構成

 

 

写真1 統一電源プラグ・システムの試作機

 

 近赤外光による光無線電力伝送

 光・電気変換素子にSi太陽電池を用いて,光によって電力(エネルギー)を遠隔地に無線伝送する光無線電力伝送の研究を行っています(図2).身近な例では,赤外光LED照明によるスマホやノートPCへの充電を,将来的には走行中の電気自動車(EV)や飛行中のドローンへの光(レーザ)による光無線電力伝送を実現していきたいと考えています.

図2 近赤外光による光無線電力伝送の例

 

 パーソナルLiDAR

 個人が装着し,交通事故などの危険から身を守るためのパーソナルLiDARを研究しています(図3).VL53L1Xセンサ・モジュール(測距センサ・モジュール)とRaspberry Pi ZeroによるパーソナルLiDARを試作しました(写真2).

図3 パーソナルLiDARの適用先

 

写真2 パーソナルLiDARの試作機

 

▲関連特許
直流電源システム(特許第6366087号)
直流電源装置(特許第6417570号)

◆東北大学 工学部 電気情報物理工学科 山田・松田研究室のWebサイト
 http://www.ecei.tohoku.ac.jp/yamadalab/

◆紹介動画(東北大学 工学部 電気情報物理工学科OPEN CAMPUS NET 研究室公開のサイト)
 http://www.ecei.tohoku.ac.jp/eipe-oc/lab/b5/?course=2

 

[本記事の情報は2020年1月時点のものです]