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トラ技Jr.

研究学園都市「つくば」で初開催のメイカーズ・イベントは親子連れや技術好きで大賑わい

研究学園都市「つくば」で初開催のメイカーズ・イベントは親子連れや技術好きで大賑わい

 2020年2月15日~16日,つくばカピオ(茨城県つくば市)にて開催された「ものづくりの祭典 Tsukuba Mini Maker Faire 2020」に,CQ出版社はメディア・スポンサーとして参加しました.

 本イベント内にて,トラ技ジュニアは「ミニエレキ万博 in つくば」と題した展示を行いました.また,製作を通じて技術を体験できるワークショップも実施しました. その開催レポートをお届けします.  

ワークショップ

 はんだ付けを行わずに楽しめる電子工作を,3セッション用意しました.当日は事前登録者のほかに,多くの子供たちが参加してくれました.

 小学生低学年や未就学児にはハードルが高い内容だったと思いますが,保護者と一緒に全員無事に完成できたようです.  

●ワークショップ1:通電のしくみ体験「金箔折り紙スピーカ」の製作

 金箔を貼り付けた紙で折ったセミが,スピーカに大変身.なんでセミから音が出るんだ?  

●ワークショップ2:体験! モールス通信

 木製電鍵を組み立てて,微弱電波でモールス符号を送信する体験を行いました.自分が作ったもので実際に電波を出すのは,貴重な体験になったでしょう.  

●ワークショップ3:ソレノイドの上下運動を推進力に変える「うなずきペンギン」の製作

 鉄芯が直線運動する電気部品「ソレノイド」.この部品を使った電気工作キット「うなずきペンギン」を製作しながら,ソレノイドの原理を学びました.  

ミニエレキ万博

 CQ出版社が発行する各雑誌が,記事で紹介している技術を実働展示するなどしてPRを行いました.各編集部のスタッフが説明員として参加し,読者と交流する貴重な機会となりました.

 トラ技ジュニアも,筆者陣およびワークショップ開催に協力いただいた企業の展示に加え,トラ技検定の紹介,水中探査ロボットROVの展示などを行いました.  

●大埜 斗夢さん

 本物のヒューズ管の中に電子回路を組み込んだ作品.美しく点滅します.このほか,AMラジオの送信機と受信機を展示していました.  

 

●SOMESAT/九州工業大学・後藤 輝さん

 CanSat(教育用模擬惑星探査ローバー)キットの展示です.ローバーの上に手をかざして動かせば,ローバーは各方向に動きます.  

 

●茨城工業高等専門学校

 センチ・メートル単位での精度を出せるGPSの応用実験の発表.習字の筆の動きをトレースできるほどの精度があります.  

 

●東京大学

 ワークショップ1で製作した「折り紙スピーカ」(紙に金箔を貼り付けた回路でスピーカになったり,LEDを光らせたり…)と,「さわれるVRゴーグル」(ゴーグルに内蔵したスマホの画面操作を,ゴーグルを装着したまま行える)を展示.  

 

●タカハ機工

 ワークショップ3にもご協力いただいたタカハ機工の展示です.Arduinoの制御で多数のソレノイド・キットが連動し,“We Will Rock You”の手拍子を一斉にするさまは圧巻でした.  

 

●CQ ham radio

 アマチュア無線専門誌のCQ ham radioは,モールス通信を前面に出した展示を行いました. 電鍵を操作してモールス符号の音を出す体験は子供たちに好評でした.  

 

●Interface

 コンピュータ・サイエンス&テクノロジ専門誌のInterfaceは,ブラシレス・モータを実動展示しました.来場者に,コントローラを操作してモータを動かす体験をしてもらいました.

 さらに,2020年3月号の特集記事で扱ったドローン・キットを展示.どちらも参加者からの質問が相次いでいました.  

 

●RFワールド

 高周波専門誌のRFワールドは,ワイヤレス給電のデモンストレーションを実施しました. ワイヤレス給電で走行するプラレールや,水槽中でゆらゆらと動く水中ロボットを展示しました.  

 

メイン会場のようす

 メイン会場となるアリーナには,さまざまなジャンルの出展者が集まっていました.マイコン,AI,ロボット,電子工作,VR,サウンド,宇宙,ドローン….すべて見るには,2日間では時間が足りなかったでしょう.  

 

●コスモ星丸

 1985年に開催された科学万博のマスコット・キャラクタ「コスモ星丸」.35年の時を経て,再び動きだしました.

 このコスモ星丸は,今後バージョンアップされるそうです.  

 

●楽器の自動演奏

 ワークショップ3「うなずきペンギン」の製作でもお世話になったnecobitさんのブースです. 楽器の自動演奏で流れるYMOの曲に涙する年代の人も多かったはず.  

 

●モールス符号で動くロボット

 トランジスタ技術の筆者でもある砂川 寛行さんが,電鍵で(モールス符号で)コマンドを入力すると動くロボットを展示していました.“F”で前進,“B”で後退.“L”で左回転,“R”で右回転.ユニークな操作デバイスです.  

 初開催にも関わらず,Tsukuba Mini Maker Faire 2020には多数の来場者が詰めかけました. 主催者の発表によると2月15日の来場者は約2,620名,2月16日は約1,590名でした.さらに,出展者数は151組(約500人)とのことなので,総参加者は約4,700名です.

 来場者数は,パンフレットの配布数から推測した数字とのことなので,パンフレットをもらわなかった人もいるでしょうから,実際はもっと多かったでしょう.2日目は天気に恵まれませんでしたが,それでも1600人近くが来場したというのは驚きです.

 来場者からは「おもしろすぎて帰れない」,「東京のMaker Faireよりもレベルが高いのでは?」といった声も聞かれたほどで,皆さん大満足だったことと思います.

 本イベントが来年も開催されるかどうかはまだ発表されていませんが,再び読者の皆さんとお目にかかれますことを楽しみにしています.